株式の税金が10%→20%に上がるけど、その前に売る?

2014年から、今まで10%だった株式の税率が、20%に上がります(戻ります)。
ということは、今年のうちに現金化して、10%だけ税金を払っておいた方がお得! …と考えがちですが、本当にそうなのか計算してみましょう。
簡単のため、手数料は無視します。
 
2013年中に現金化したときの[利益]をA、現金化後に資産がP倍に増えると仮定すると、
 
1) 2013年中に現金化しない場合
資産はそのままP倍に増え、その後現金化したときに20%の税金が引かれるので、
 0.8AP
になります。
 
2) 2013年中に現金化した場合(かつNISAを利用しない場合)
まず10%の税金を払うので資産は0.9Aとなり、その後P倍に増えて資産は0.9AP。税金は、0.9Aから増えた分、つまり0.9AP-0.9Aに20%をかけた分だけかかることになります。
したがって、最終的な資産は、
 0.9AP−(0.9AP−0.9A)×0.2
=0.9AP×(1-0.2)+0.9A×0.2
=0.72AP+0.18A
です。
 
現金化した方が得になるのは
 0.8AP < 0.72AP+0.18A
という状況なので、これを整理すると
 P < 2.25
 
つまり最終的なリターンが2.25倍 = +125% 以下を見込んでいる場合は現金化すべきだし、それ以上を見込んでいる場合は現金化しない方が良いということ。

  1. 125%というと、年利10%で10年弱、年利5%で19年弱かかることになります。現役世代なら現金化しないのが正解になりそうですね。

 
なお、NISAを利用した場合は、この年数が猶予される計算になりますが、前提として運用資金が100万円より十分小さい必要があります。
十分小さいなら、上の年数に5年や10年をプラスすると、年数が計算できるので、目安にどうぞ。